ちょっといっぷく 第57話

第57話 ゴルファー達のチンなる話

春は名のみの風の寒さかな。というが、名物の初市風も過ぎ一段と春めいてきた。

いよいよゴルフシーズンの幕開けとなる。

川合辰雄氏といえば元九州電力の社長であり、最近まで九経連の会長をしておられた。三県架橋の東京陳情等で、何回か行動を共にしたことがあるが、年齢の割(?)には大変お元気であった。

1998年5月、自分の年齢(当時81歳)と同じスコアでゴルフコースを回る「エイジシューター」をやってのけたと新聞報道があっていた。

そういえば、会社の取引先の社長であった出光計介氏も80何歳かでエイジシューターになられた。

計介元社長は出光興産㈱創業者出光佐三氏の実弟である。この人は、日本の名門コース、小金井カントリークラブの理事長をされ、プレー中に佐々木小次郎の蒸返しの必殺剣法ならぬ、飛んでるすずめに球を命中させた逸話の持ち主である。

勿論すずめは、直撃されて打ち落とされたが、われわれ凡人は、そのすずめを焼き鳥にして酒の肴にするとか思いつくものだが、さすが育ちが違う大社長、ゴルフ場の片隅にあなを掘り丁寧に埋めて供養したと聞いた。

「わが人生の時の人々」(石原慎太郎著)の本に毎日新聞の元老格だった、故高石真五郎氏の話が載っている。引用すると、氏の特性はプレー後に入る風呂場でいつも長い時間かけて股間の御曹司に念入りに冷たい水をかけていた。ある時隣にならんで体を洗いながら訳を聞いた。「君、これは男子としてのたしなみだぞ。男たるものこうやっていつもここを鍛えておくものだ。」なるほどとうなずき「で、そうやって今も鍛えておられて、実戦の機会は今でも時々あるのですか」と聞いたら「いや、君それを聞くな。答えるのも無念だからな」とあった。

プレー後の風呂の話になると、いつも話題になったのが長崎財界の大社長X氏(特に名を秘す)。この人の逸物は、からだを洗うためのお尻台にすわると、その物が床までとどく長逸物だったという。残念ながら実物を拝見する機会は、ついになかったが、幾人もの証言があるので事実だろう。

これは、実際に諫早のゴルフ場での体験である。

これも長崎財界の大御所氏、ふだんはぶすっとして愛嬌がない。

一緒にプレーすることになり、3番ホールか4番ホールかのティグランドでちょっと振り返ったらこの大社長、キャディさんのおっぱいにさわっている。こちらはなんとも悪いことをした思いで目のやり場に困っていると、「なあ君、僕はこれが楽しみでな」とうそぶきながらてははなさない。キャディさんも心得たもので「どうぞご遠慮なく…」と平然としている。下種はセクハラではないのかとか、チップを相当弾んだのだろうとか勘ぐりたくなるのだが、悠々たる大人の風格があったな。

直径4インチの4分の1(10.79㌢)の穴に、球を入れるため大の大人が一喜一憂、なんと馬鹿げたと笑う人もいるかもしれないが、この小さな穴に入れるのが難しいからおもしろい。

グリーン上で10㍍のパットを狙ったときの角度は、地球から月を見る角度とほとんど同じ、地球と月の間にはなにもない、芝目みたいなものもない。動いてはいるけど規則的だからロケットを月に当てる方が、10㍍のパットを入れるよりやさしい。

これは河村龍馬という東大名誉教授・工学博士の言である。

「ホンダ」の創業者本田宗一郎氏は、ゴルフ場でのプレー進行を速める«妙案»としてホールサイズ(つまり穴)を大きくすれば簡単なのさというのだが…。

(前島原商工会議所会頭)

2003年3月18日

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