ちょっといっぷく 第8話

第8話 老人のたわごと(ごみ問題)

 

大量消費社会の中で年々増え続ける廃棄物(ごみ)の処理は、行政にとって頭の痛い問題であろう。

香川県豊島の産業廃棄物不法投棄事件で県側は、約50万トンの不法投棄を許した行政責任について謝罪、調停が成立したことが報道された。完全に撤去するのに10数年の歳月と160億円の費用がかかるという。

政府は、廃棄物のリサイクルを促す法案を提出するらしいが、資源循環型社会へ転換するため、有害物質を取り除きリサイクルを目指すことは必要だ。

さて、過日の新聞報道では、諫早市、島原市など2市15町の県央県南広域環境組合は1日300トンの処理能力、24時間稼働、総事業費250億円の焼却施設を建設予定とか。

説明では、(1)現在の約2.5倍の1日300トンのごみを焼却しても、ダイオキシンの1日あたり排出量は現状の27分の1。(2)焼却灰は極力無害化、ガラス状に固めて溶融処理。

そうは言っても地元では反対の声もあり、やはり住民が安心出来るような情報公開が必要ではないか。島原にとって将来を展望した場合、まことに有り難い話でぜひ実現することを願いたい。

問題は、毎日排出される膨大なごみを諫早までどのような交通手段で運ぶのか。

この点について、長崎でのある会合で、諫早商工会議所の栗林会頭と談じ合う機会があった。

トラック輸送では、交通渋滞に拍車がかかり、排ガスの大気汚染問題もある。効果的輸送手段として島原鉄道を利用できないか。

昔から多量輸送の決め手は、鉄道であった。今トラック輸送は、コンテナ輸送に代わりつつある。ゴミのコンテナ輸送を考えてみたらどうだろう。

交通渋滞には影響ないし、排ガスによる大気汚染もない。島鉄の安定収入にもいささかなりとも貢献出来るのではないか。(島原商工会議所会頭)

 

2000年(平成12年)7月18日

 

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