ちょっといっぷく 第7話

第7話 沖縄雑感

 

何年かぶりに訪れた沖縄の変わりように先ず驚いた。

本土復帰から28年、国は公共事業を中心に約6兆円をつぎ込んできたという。

国、県道の整備率67.8%、舗装率84.9%と全国と比べ格段に整備されている。

特に稲嶺知事が自慢していたが、1945年60万人だった人口が、現在130万人と倍以上増えた地域は沖縄だけ、これが沖縄振興にとって追い風となっている。

沖縄県人は、全国とくらべ長寿であることも特徴である。観光客については、平成11年は、前年とくらべ、10.5%増えて約460万人、12年はサミット効果もあり700万人を見込んでいるとのこと。

面白かったのは、タクシー代を自分からまけてくれる。1,400円のメーターが1,000円で良いとか、メーターを倒すとき、数メートル走ってからスイッチオンする。なんともおおらかというか、これが沖縄の文化だろうか。

全国で唯一、鉄道がない。不思議なのは自転車を殆ど見かけない。

そこで思い出したのがアフリカに靴を売りに行った商人の話。2人の商人のうち1人は現在住民がほとんどはだしで生活しているのを見て「靴は売れぬ」と本社に打電した。もう1人は「大変有望な市場を見つけた」と報告した。これは、物事を判断するとき、マイナス面ばかり取り上げずに、難問を見つけたらそこでストップしないで、どうすれば目標を達成できるかを考えることの大切さを教えている。

ついでにもう一つ。沖縄会議の時「イベント広場」でかりゆしウェアー(かりゆしとはめでたいの意・沖縄版アロハ)に着替えてアトラクションを見物した。沖縄独特のエイサー踊りや空手の演舞があったが、民踊を歌う人や演技者が必死の思いで一生懸命やるので観衆にその熱意と感動が段々と伝わってくるのである。

本で読んだが、ひとりの客が感動すると、その感動は7人に伝えられる。さらに、その7人がそれぞれ5人に、その5人がそれぞれ3人に、つまりひとりの客の感動は、直接・間接に100人以上に伝わるのだという。

どんな形であれ、一生懸命が大切、まず、ひとりの客を感動させよう。(島原商工会議所会頭)

 

2000年(平成12年)7月11日

 

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