ちょっといっぷく 第6話
第6話 日本商工会議所・沖縄会議
5月、沖縄名護市で、全国の商工会議所会頭、役員が一堂に会して、来るべき新世紀に向けた課題や役割等について議論を深めた。
その中で、特筆すべき事項は、従来の会議所が先見性が足りなかった点を反省、中小企業の情報化支援策を決議したことである。
民間企業の通信会社やハード・ソフトメーカー等の協力を得て、特注のパソコンを格安で配布、全国526会議所、162万社のネットワークをいかそうという。
今夏から実施予定であるが、内容は、会員企業や求人の情報、イベントや観光、地場産品、土産品情報など多くの価値ある情報によって、中小企業のビジネスチャンスの拡大、経営の安定と発展に役立てようとするもの。
その他、会議では、質疑や意見発表があったが、その中で加茂(新潟県)長沢会頭の発言に同感した。
要旨は、最近の世情、とくに少年犯罪の多発に鑑み、会議所として教育・文化の面でグローバルに適用できる青少年の育成に力を注ぐべきだとの意見である。
自己責任の徹底、すべてを他人のせいにしない優先順位の判断ができる人間、あれもこれもではなく、何が最も大事で、急を要するものはなにか。
人生をいかにいきるか、世の中金だけではない。何を目標に何を生きがいとするか、ディスカッション出来る人材、ディスカッションによって人は磨かれる。
わが国の企業に占める中小企業の割合は、99.7%、従業数71%である。即ち中小企業が良くならないと日本は良くならない。経済も文化も、或いは教育についても今や会議所ならびに会員企業が先頭に立つべきだと思う。
『一番大切なことは、方向を示すこと』とは、ニーチェ(ドイツ哲学者)の言葉である。
それ程大袈裟なことができる筈はないが、この混沌の時代、進むべき道を模索するため多少の参考にでもなればという思いが、このシリーズの駄文を弄している理由の一つでもある。(島原商工会議所会頭)
2000年(平成12年)7月4日