ちょっといっぷく 第43話

第43話 USJ オープン

 

USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)については、第40号でふれたが、3月31日いよいよオープンを迎えた。

当地では雲仙岳災害記念館(仮称)が来年7月開館をひかえているところであり、なにかヒントでもと思い、資料をお願いしていたが大阪の内藤一水社(新聞広告代理店)から小包にするくらいのぼう大な資料を届けていただいた。全部を紹介できないのが残念であるが、興味のある箇所を抜すいしてみた。

たこ焼き、お笑い、タイガースの大阪イメージをくつがえすテーマパークUSJ、敷地は甲子園球場14個分に相当、工場の跡地にハリウッドの夢がある日、突然花開いたのである。

全国のテーマパークが経営に苦しんでおり集客力や採算性が気がかりなところだが、大和銀行総研国定社長の話では、間違いなく成功するだろうという。経営面への不安はないと言っているが、それは運営や宣伝、アトラクションのノウハウはUSJ社がにぎっており、つまり運営力は企画力において絶対の自信をもっているからだろう。

予想どおり初日は入場者2万7000人、1日で3万5000人の入場前売り券完売、当日券なしの好調さである。

成功すれば、その与える効果は絶大である。USJをおとずれる客は年間800万人、JRの乗降客1日で5万6000人、初年度の近畿2府県への経済波及効果は約4500億円、全国では6500億円、雇用誘発効果は4万人を超える。

アトラクションの中身は、五感を通じて楽しませる工夫がある。水上バイクが宙に舞い、燃えた飛行機が突っ込んできて、火柱があがり、また25米の滝から豪快な水しぶきをあげて一気に落下すると観客はずぶぬれ、化学工場ではドラム缶の爆発がつづき熱気と爆風をあびて薬品臭までただよってくる。ラグーン(池)では、そばの船がいきなり沈没、全長10米の巨大ザメがボートにおそいかかる。そのほかスリルや、おなかをかかえて笑ったり、家族そろってほのぼのと楽しめる米映画などを題材にしたアトラクションが18ある。映像ではできない皮膚に訴える臨場感がある。

以上は、自分が実際に体感したわけでなく、すべて資料にもとづくものであり、ぜひ一度見学のうえ体験談の報告をしたい。

USJ阪田社長談が載っていた。テーマパークが成功する要件は、①テーマパークが多くの人をひきつける魅力をそなえていること、②立地上のメリットがあるか、日帰り可能な背後圏があるか、③リピーターを確保できるか、これが一番大切で、開業後も新しいアトラクションを建設するつもり、とくに冬季対策では、クリスマスパーティや元日のカウントダウンなどのイベントで話題つくりを考えている。

米国文化のプライドをかけて完成された巨大施設は今後の大阪を大きく変えていくかもしれない。

これらをヒントにして得た思いつきを次回に書くことにする。

(島原商工会議所会頭)

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